実際島のモノって「良い」の!?食べて比較してみる

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どうもこんにちは。「島のものはうまい」「やっぱり島の食材だ」そういう声を聞くことこそ多いものの、実際のところどうなの?と気になってしまった「はなれじま広報部」のハテシマサツキです。

今回は、島のものが「良い」のかどうかを判別するため、ポンカンとレモンを使って比較企画をしようと思います。本当は全く同じ品種や価格帯のものを使って比較をしたかったのですが、入手難易度の問題から少し趣向を変えることに。

はなれじま広報部の編集部員・たがみに協力してもらって「利きポンカン・利きレモン」をします。有田みかんで有名な和歌山県出身のたがみに、ポンカンとレモンをそれぞれ2種類ずつ味わってもらい、どちらが島のものかを当ててもらいます。

そして、いずれも忖度なしで感想を言い合うことにしました。

たがみ
たがみ

めちゃくちゃプレッシャーだ…

何を判断材料にするか、難しいよね

ハテシマサツキ
ハテシマサツキ

※比較で取り上げた食材や産地を持ち上げたり、貶めたりすることを目的とした記事ではありません。また、ここで取り上げるコメントは一個人の感想だということをご理解ください。

用意した食材

今回用意した食材はポンカンとレモン。価格にばらつきが出ている上、ポンカンとレモンの品種はそれぞれ異なる可能性がありますが、今回はそれを特性として捉えて「良さ」について考えていこうと思います。

ポンカン

ポンカンの比較画像

※どちらが島のポンカンなのかは、まだ伏せておきます。

・「島」ポンカン
産地:下蒲刈島(広島県)
価格:1盛300円(税込)
購入場所:島内の無人販売

・「島じゃない」ポンカン
産地:高知県(土佐のブランドポンカン)
価格:599円(税込)
購入場所:百貨店

レモン

レモン比較画像

※どちらが島のレモンなのかは、まだ伏せておきます。

・「島」レモン
産地:岡村島(広島県)
価格:1個あたり50円(税込)
購入場所:島内の無人販売所

・「島じゃない」レモン
産地:チリ
価格:1個あたり199円(税込)
購入場所:百貨店

ポンカンを実食!

さあ、実食のお時間です。まずはポンカン2種、それからレモン2種を食べてもらいます。
どちらも特に料理や加工はせず、素材本来の味で比較します。
実際レモンをそのまま食べる機会はほとんどないと思いますが、そこはご愛敬。

ポンカンA

ポンカンAの画像

まずはポンカンAです。包丁で半分に切っただけですが、早くもみずみずしい香りが漂います。形や表面も綺麗で、特に大きなキズはありません。

たがみ
たがみ

身の詰まり方が良いね

食欲そそられる!

ハテシマサツキ
ハテシマサツキ
ポンカンを剥く手

皮は適度にやわらかく、手で簡単に剥くことができました。そして一口、ガブリ!

たがみ
たがみ

あまっ!!

糖度高めの「THEブランドみかん」っていう味がするね

ハテシマサツキ
ハテシマサツキ

久々、こんなに甘い柑橘を食べました。半分食べるだけでかなりの満足感です。
そのままの勢いで、ポンカンBを味わいましょう。

ポンカンB

ポンカンBの画像

こちらも切った時点で甘い香りが漂いますが、ポンカンAよりは少し控えめな印象。表面や大きさの違いはほぼ無く、ポンカンとしてイメージする柑橘そのもの、といった造形です。

たがみ
たがみ

さっきよりちょっと身がゆるい感じがする?

種がなくて食べやすそう

ハテシマサツキ
ハテシマサツキ
ポンカンBを剥く手

こちらも手で剥くことができました。ポンカンA同様、ガブッとかじりつきます。

たがみ
たがみ

さっぱりとした味わい!

果汁は少ないものの、さわやかで甘さ控えめであることから、量を食べるならBという印象。言うそばから、たがみの手は次のポンカンへと伸びています。

島のポンカンは…

さあ、どちらが下蒲刈島で採れたポンカンで、どちらが土佐のポンカンなのでしょうか?

たがみ
たがみ

結構自信あるわ、Bが島のポンカンでしょ!

一口食べた瞬間に分かったとのこと。
島のポンカン、果たして正解は…

ハテシマサツキ
ハテシマサツキ

Aでした!

えっ…

たがみ
たがみ

たがみ曰く、甘くてぎっしりと身がつまったみかんが土佐のブランドポンカンだと思ったとのこと。完全に予想外の展開に言葉が出ていません。

どちらも美味しいのですが、甘さとフレッシュさ、味や香りの種類が明らかに異なります。
その部分で間違えたのはイメージの違いといったところでしょうか。

レモンでもやってみた

同じ検証をレモンでも実施。一方はチリ産レモンなので、もはや離島かどうかという規模の話ではない気もしますが、そこはご愛敬。

また、可能であればレモンを加工して比較できるようにしたかったものの、材料がなかったため断念。生でかじりつくのではなく、レモンサワーにしたり、料理に添えたりしたかったのですが…。

すっぱいのはぐっとこらえ、味覚に集中することにしましょう。

レモンA

レモンAの画像

さあ、レモンAから見ていきましょう。
表面に汚れやキズはなく、つるっとした光沢があります。

レモンAの輪切り

レモンAを切ってみました。
サクッと包丁の刃が入り、とても切りやすいのが印象的です。
皮がやわらかいんですね。

たがみ
たがみ

レモンって聞いてイメージするのこの見た目よね

手で皮を剥いて一口かじってみます。
見た目からしてすっぱいのですが、味はいかに…?

たがみ
たがみ

お?思ったよりすっぱくない

たしかに、なんかフルーツとしてのおいしさを感じるね

ハテシマサツキ
ハテシマサツキ

レモンなのでもちろんすっぱいのですが、口当たりの良さはみかんのよう。
マイルドでフルーティな、柑橘系としてのうまみがあります。
レモンってこんな味だっけ?と少し拍子抜けしてしまうような味わいでした。

レモンB

レモンB

さて、続いてレモンBの登場です。
レモンAよりは少し小ぶりで、切る前から皮が硬いのが分かります。
また、風にさらされたようなキズがついていますね。

レモンB輪切り

切ってみました。
皮の部分が硬く、刃を入れるのに少しだけ苦戦しました。
レモンとしてのみずみずしさはレモンAとは段違いなように思います。

Aのレモンと同じように、皮を手で剥きながら食べてみましょう。

レモンをちぎる手
たがみ
たがみ

…あれ?

そう、皮が固すぎて輪切りの皮すら手で剥くことができないのです。
やっとの思いで引きちぎり、一口かじります。

笑顔のたがみ
たがみ
たがみ

すっっっっっっっっっぱ!!!!

思わず笑ってしまうほどの酸味。
甘さを一切感じない、純粋なレモンでした。
キリリと鋭いすっぱさが、口の中を駆け巡ります。

島のレモンは…

さて、どちらが岡村島のレモンでしょうか。

たがみ
たがみ

うーん…甘みがある方…Aかなぁ

どうやら、甘みのあるレモンを離島産、酸味が強いものを海外産と判断した模様。
正解は…

ハテシマサツキ
ハテシマサツキ

Bでした!

えっ…

たがみ
たがみ

たがみの予想はどちらも外れでしたが、見た目や味の違い自体は分かりやすかったです。
特にレモンに関していえば生で食べやすいことよりも、引き締まった酸味の方が重視されることの方が多いことから、レモンとしての使いやすさはBのレモン(島レモン)に軍配が挙がると思います。

ブランド力を含めた島の「良さ」

食べ比べてみて分かったことは2つあります。「良さ」をどこに置くかによって評価が変わること。そして、離島産のものに対しては少なからず何かしらのバイアスがかかるということ。商品自体の特性は環境や作り方(農作物の場合は品種も含め)などによって大きく変わるため、今回注目すべきはこの2点かと思います。

つまり、商品そのものの特性の違いをどのように説明し、発信していくかに帰結するのです。そしてその際、「離島」というひとつのブランドをどのように活かすことができるかによって、消費者からの評価は大きく変わるでしょう。

また、島の食材が圧倒的に安価だったのは、無人販売という形式を取ることで輸送や販売にかかるコストを抑えられているからだといえます。実際、同じ場所に商品を並べようとすると、比較対象の商品よりも高価になる可能性が高いです。

情報を食べているとも言われる現代において、離島から商品をより広く届けるためには、それぞれの立場で何をすべきか、「情報」という観点から見つめ直す必要があります。そういった部分を再認識するきっかけになった今回の検証、私たちにとって有意義なものとなりました。

はなれじま広報部では、広報(PR)やECサイトという観点で、離島における事例やノウハウを発信してまいります。また、運営会社のアトリア合同会社では、PRやECサイト構築・運営に関するご相談をいつでも受け付けています。ぜひお気軽にお声がけくださいませ。

あ、ちなみに、今回使用したポンカン・レモンは編集部でおいしくいただきました。
島レモンをしっかり絞って食べる鶏皮、とっても美味しかったです!
それでは、次回の記事更新をお楽しみに。

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