人口10人以下!人が少ない島・無人島化した島の話。

人口10人以下の島の話

離島における人口減少が叫ばれるようになって久しいですが、実際のところ「人口が減少しきった状態」にある島についてイメージがつく方は少ないでしょう。そこで今回は、人口が特に少ない有人離島で起きることや、実際の例をいくつかご紹介します。

人口が少ないゆえ起こること

果たして過疎状態にある離島では、どのようなことが起きるのでしょうか。

生活インフラの維持が困難に

人口が減少すると、島内の生活インフラや公共サービスの維持が困難になります。日用品を買う商店が閉店したり、診療所などの医療機関もなくなったり…。生徒がいなくなれば小中学校も休校・廃校となってしまいます。

近年では、人口が少ないことに加えて人手が不足していることに起因する、定期航路(フェリー)の便数減少が深刻です。日常生活を送る上での利便性にも直結するので、不便になればなるほど人が減り、人が減るほど不便になるという悪循環に陥ってしまいます。

産業の衰退と雇用の喪失

特に人口の少ない島で深刻化しているのが、産業の衰退。島内に産業や雇用がないと、消費も先細りしてしまいます。島内でお金が回らなくなることで、経済は衰退の一途を辿るでしょう。

また、産業こそあれど、働き方の選択肢が少ないという声もあります。島に住みたいと思っていたとしても、高校・大学卒業後に就きたいと思う仕事がないことから、島外への移住を余儀なくされるケースも。

伝統行事や文化の継承が難しくなる

人口がごくわずかな島では、伝統行事や文化の継承も困難になります。かつて島ぐるみで行っていたお祭りや盆踊りといった行事も、参加者がいなければ存続できません。芸能や工芸など地域固有の伝統文化も、それを担う人材がいなくなることで失われていく危機にあります。

「人が少ない」というブランディングにつながることも

人口が少ないという現状を受け、試行錯誤しながら島おこしをする中で、人口が少ないという切り口が注目を集めることもあります。メディアで「人口わずか○人」といううたい文句を目にした方も少なくないでしょう。

もちろん結果論でしかないのですが、人口が少ないことが特徴的な事象であるのは間違いありません。過疎に悩む島は、必然的に「人が少ない」ことに対する対外的な見え方と向き合う必要があるのです。

人口が少ない島々のいま

ここからは、全国的に見てもかなり人口が少ない島を4島紹介します。ここで紹介する島の人口はすべて一桁(2025年時点)。 無人・有人の狭間にある島それぞれのあり方に触れてみましょう。

ただひとつの世帯 “39代目 平野さん”が暮らす仁右衛門島

千葉県鴨川市太海の沖合にある仁右衛門島(にえもんじま)。
ゆっくりと歩いて、30分で一周まわれるほどの小さな島で、人口はなんと1人(2023年現在)です。
その1人とはいったい…そのヒントとなる仁右衛門島のルーツは、800年以上にさかのぼります。

源平合戦のひとつ、石橋山の戦いに敗れた源頼朝が安房に逃れた際、島主の仁右衛門に助けられ、この島で一時身を隠したといわれています。

その後、頼朝は仁右衛門に「平野(ヒラノ)」という姓、島周辺の漁業権を与えました。島の名前は島主の名にちなみ、『仁右衛門島』となったといわれています。

なお、現在の島民は、その名を継いだ39代目の平野さんだけ。
(長男ではないため、平野仁右衛門というお名前ではありません。)

島への来場者数は33,732人(2018年)。もの珍しさから平野さんの自宅が観光スポット化しています。

9人の島民で畜産業を守り続ける小豊島

小豆島からほど近く、瀬戸内海に位置する香川県の有人離島、小豊島(おでしま)。過去には30人以上が住んでいて小学校もありましたが、過疎化が進み現在の人口は9人(2020年現在)となっています。

小豊島では、香川県のブランド牛として名高い「オリーブ牛」の飼育が盛んで、複数の畜産農家で約500頭の生育・出荷を続けています。人口よりもはるかに牛の数が多い小豊島は「うしの島」と呼ばれることもあり、産業の基盤は堅いといえます。

無人島化してしまった比岐島

愛媛県今治市に位置する比岐島(ひきじま)。2015年度の国勢調査では人口3人でしたが、2020年度の同調査では0人になってしまいました。

柑橘類と漁業の島で、特に比岐島のみかんは市場でも高値で取引されていた過去があります。その時期から定期船はなく、自家用船で行き来していたそう。かつては人口70人以上を有しており、小中学校もありました。

現状、水道や電気などの公共インフラは提供されていないものの、無人島化してまもないことから、大きく荒れ果ててはいない模様。時々、残された家の管理を行うため、関係者は島に渡っているようです。

一時は無人島に。危機を乗り越えた新島

鹿児島県、桜島のほど近くに位置する有人離島の新島(しんじま)の人口は、2020年現在でたったの2人。

1950年代には人口250人を超えたこともありましたが、2013年に最後の1人が島外へ移住したことで無人島に。

しかし、無人島になってもなお、島出身の方々が再生に向けて「ふるさと再生プロジェクトの会」として勉強会や清掃などの活動を続けていました。

そして2019年、新島出身の女性とそのご主人が島に転入したことで再び有人島へ。有人離島が無人島になり、また有人離島へとなった希有な例です。

どの地域も例外ではない

日本に400以上ある有人離島。地理的条件や産業、文化など島を構成する要素はさまざまで、抱えている課題も異なります。しかし、全体の傾向として「人口減少」という社会問題に直面していることは間違いありません。

人口減少に歯止めをかけるのは非常に難しいですが、まずは島のことを知り、本当に解決すべき問題を見極めてアプローチ方法を考えることこそが、第一歩なのではないでしょうか。

リサーチ:松本唯似
執筆:柳陽菜

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