離島への移住で使える支援や補助金は?心強い制度を味方につける方法

離島移住の補助金情報

離島への移住を考えた際に気になるのはやはり、お金のこと。本土から離れた離島は運送コストが高く、引っ越し費用や生活費がかさむこともしばしば。

そんな不安を解消する心強い味方が、国や自治体が用意している移住者向けの制度です。島に特化した情報発信を行う「はなれじま広報部」が離島への移住で使える支援や補助金の種類、受給までのステップ、見落としがちな注意点を解説します。

離島に移住する際に使える支援や補助金

以下でご紹介する制度は記事執筆時点(2026年1月)の情報に基づいています。利用する場合は、必ずご自身で最新の情報を確認してください。

1.国と自治体が共同で運用する制度

地方振興や離島創生のために、国と自治体が共同で運用する制度です。詳細は自治体によって異なるため、事業を実施する自治体に必ず確認してください。

・移住支援金
東京23区に住んでいる人や東京圏から23区へ通勤している人が離島へ移住し、そこで就業・起業する場合に支給されます。支給額は、単身世帯では上限60万円、二人以上の世帯では上限100万円です。自治体によっては子育て加算として18歳未満の子ども1人につき上限100万円の上乗せがある場合があります。

東京圏に在住・通勤していた期間などの要件が細かく決まっているため、注意が必要です。

・特定有人国境離島地域社会維持推進交付金を活用した創業支援
特定有人国境離島(詳しくはこちらの記事へ)で新たに事業を立ち上げたり拡大したりする起業家や事業者を対象に、必要な資金を支援します。元々住んでいる人だけでなく、UIターンの移住者や地域おこし協力隊の卒隊者も対象になります。

支給額は、創業の場合は上限600万円、事業拡大の場合は上限1,600万円です。設備や人件費、広告費などの経費に利用できます。

2.自治体が独自に行う制度

自治体が独自で用意している移住者支援のための支援や補助金です。移住前の下見段階から使えるものや島留学中に使えるものなど、自治体によって様々な特色があります。

年度や予算状況によって変更があるため、必ず最新の状況を確認してください。
ここからは実際に使うシーンに応じて、様々な自治体が用意している制度の一部をご紹介します。

<検討段階>

・下見のための旅費の補助
物件の下見や企業との面接、起業前の調査など、移住の準備のために島を訪れる旅費を補助する制度です。
例えば五島市(五島列島)では、上限6万円の補助があります。

・短期滞在住宅
お試し移住や、定住に向けた仕事・住まい探しに活用できるよう自治体が用意した住宅です。比較的安価な価格で入居できるものが多いです。五島市(五島列島)、利尻富士町(利尻島)、屋久島町(屋久島)などで行われています。

<引っ越し・住まい>

・空き家バンク
空き家を持っている人と住みたい人をつなぎ、移住希望者に安価な賃貸や購入物件を紹介する仕組みです。離島以外でも、広く全国の自治体で行われています。

・引っ越し費用の補助
離島への引っ越しにかかる費用の一部が補助されます。例えば佐渡市(佐渡島)では、上限5万円の補助があります。

・リフォーム費用の補助
空き家バンクに登録された物件を借りる・購入する際のリフォーム費用の一部が補助されます。例えば五島市(五島列島)では、住宅の所有者や新婚家庭には上限100万円、移住者には上限50万円の補助があります。

・家賃補助
家賃の補助として月額数万円が1~3年程度、支給されます。医療や介護など人手不足の業界で働く人には手厚い場合もあります。例えば佐渡市(佐渡島)では、若者世帯には月額2万円×最大12か月、看護師や介護職員として働く人には月額2万円×最大60か月の補助があります。

<就職・起業>

・農林漁業就業者への支援
農業・林業・漁業に就業する人や就業に向けて長期的な研修を行う人へ、生活費を補助または貸与する制度です。例えば屋久島町(屋久島)では、漁業の研修者へ月額5万円が支給されます。

・開業支援
個人や事業者が新規で開業する場合の経費(家賃、備品購入、広告宣伝など)が補助されます。空き家活用の有無や業種によって、金額が変わる場合があります。例えば隠岐の島町(隠岐諸島)では、一般枠では上限50万円、空き家活用や飲食店開業の枠では上限100万円の補助があります。

<生活支出>

・奨学金の返還支援
一定の期間、移住者が抱える奨学金の返還を補助する制度です。ただし、上限年齢の制限がある場合が多いです。UターンかIターンかで補助額が変わる場合があります。

例えば佐渡市(佐渡島)では、Uターンは年額最大30万円×最大20年、Iターンは年額最大15万円以内×最大10年の補助があります。

・島留学中の生活費の補助
島留学生として島の学校に通う児童の保護者に、生活費の補助として生活支援金が支給されます。
例えば佐渡市(佐渡島)では、月額1万円×最大3年の補助があります。

・結婚や出産への奨励金
結婚・出産にあたって祝い金の支給や、新生活のスタートにかかる経費(住宅購入、引っ越し、リフォームなど)の補助があります。

例えば屋久島町(屋久島)では、夫婦ともに29歳以下の場合は新居の購入や引っ越し費用として60万円を上限に補助されます。また、第1・2子の誕生には10万円、第3子以降の誕生には20万円が支給されます。

支援や補助金を受けるためのステップ


ここからは支援や補助金を受け取るための基本的な流れを解説します。国や自治体の支援制度や補助金はハードルが高く感じてしまいがちですが、「確認する」「残す」「申請する」という3つのステップを漏れなく進めれば大丈夫です。

STEP1:最新情報を確認

インターネットの情報は古い可能性があるため、移住相談会や役場の電話窓口で最新の情報を直接確認しましょう。その際に、制度の要件や併用の可否、必要書類、申請期限、予算上限に達していないかなどは必ず確認してください。

STEP2:領収書などの証拠を残す

下見の交通費・宿泊費や引っ越し費用など、補助金の多くは、一旦自分で立て替えたものが後日戻ってくるパターンが多いです。補助金を受け取る場合は領収書の提出が必須ですので、なくさないよう管理しておきましょう。

STEP3:転入・申請手続

いよいよ移住が完了した後は、住民票を移し次第、すぐに申請の手続きを行ってください。「申請は転入(住民票移動)から○か月以内」と期限が設けられていることが多いため、忘れないうちに早めに済ませるようにしましょう。

見落としがちな注意点

補助金や支援制度は、条件を満たせば心強い味方になりますが、「もらえると思っていたのに、実は対象外だった」「申請のタイミングを逃してしまった」ということも少なくありません。後から慌てたり計画を見直したりすることがないように、申請前に押さえておきたい注意点を確認しておきましょう。

補助金は基本的に後払い

多くの補助金は住民票を移して申請手続きをした後に振り込まれます。振込が完了するまでに数か月かかる場合もあるため、初期費用や振込までの基幹を賄う貯金は必須です。

転入前の申請が必要な自治体もある

リフォーム費用の補助の場合は、工事着手前の申請や島への転入前の事前相談が条件のケースが多いです。補助があると思い込んでリフォームを進めてから困ることがないよう、事前に情報収集をして必要な手順を踏んでから着手してください。

年齢の制限がある場合も

奨学金の返還支援や結婚の奨励金など、対象年齢に制限があるケースがあります。

定住期間の縛りについて

多くの制度には、その地域に「○年以上住むこと」という縛りがあり、もしその間に島を出ることになった場合は返還を求められるケースがあります。

予算に上限がある

自治体の予算には限りがあるため、年度途中でも枠が埋まると受付が終了してしまうことがあります。そのため、動き始める前に最新の情報を役場に確認することが不可欠です。

申請書類の作成に時間がかかる

申請には住民票や誓約書、見積書、事業計画書など複数の書類が必要なことが多く、締め切り直前に作成を始めると間に合わない危険性があります。早め早めに動き出すようにしましょう。

支援や補助金を上手に使って離島移住を実現させよう

離島への移住は、さまざまな制度を上手に活用することで経済的な負担を軽減できます。国や自治体が用意する支援や補助金は多岐にわたりますが、申請のタイミングや要件は自治体によって異なるため、移住前に最新情報を確認することが大切です。

はなれじま広報部では、島図鑑で日本の有人島417島全てを紹介しているほか、インタビュー特集で離島の魅力やそこで活躍する人々を詳しく取材しています。もうすぐ移住予定の方にも、将来の移住を考えている方にもお役に立てるような情報を発信していますので、ぜひご注目ください。

この記事を書いた人:卜部 奏音
フリーランスのライター・編集者。はなれじま広報部では島でのインタビュー取材や離島関連の解説記事制作を担当。島に流れるゆったりとした時間や豊かな自然に惹かれ、学生時代から島旅を続けている。好きな島は北海道・利尻島。

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