SNSの使い分けを事例で解説!魅力発信・観光客増加につなげるSNS活用方法とは

いまや私たちの生活に欠かせないものとなったSNS。Instagram(インスタグラム)やFacebook(フェイスブック)など、適切に活用できれば地域の魅力を全国各地のユーザーに伝えることができ、観光客増加にも一役買う魅力的なツールです。

しかし、SNSの種類が増えすぎたことから使い分け方に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?

そこで、本記事では、SNSを活用するユーザーの消費行動や、具体的な使い分け方を解説します。本メディアを運営する「はなれじま広報部」が現地取材をおこなって得た成功事例も2つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください!

いまどきのユーザーはSNSをどう使っている?

幅広い年代のユーザーが日々利用しているSNS。SNS活用を制して集客や地域振興につなげるには、まずユーザーがどのようにSNSを利用しているかを知ることが大切です!

本章では、2024年時点でのSNSの使われ方について詳しく解説します。

利用方法① よいと思ったものをSNSでシェアする行為が幅広い年代に定着

「インスタ映え」が一大ブームとなったのは2017年ごろ。「インスタ映え」は2017年の流行語大賞にも選ばれ、一気に「映える写真を撮ってInstagramにアップする」行為が世間一般に浸透しました。

ブームが下火になってからもSNSでよいと思ったものをシェアする行為は幅広い年代に定着し、今や当たり前のSNSの使い方となっています。

利用方法② SNSでシェアされた情報をもとに消費活動をおこなうことも当たり前に

素敵なものや体験をSNSにアップするユーザーが増えたことで、SNS上にアップされた情報をもとに消費活動をおこなうことも一般化されました。

たとえば、一般ユーザーが投稿したご当地グルメの情報を見て同じものを食べに行く、自分と同じような属性のグループ(男女カップル、家族連れ、友人同士など)の投稿を参考に旅程を決めるなど、特定のインフルエンサーではない一般ユーザーの投稿も消費活動の参考にされています。

利用方法③ AIの発達によりユーザーの興味のあるコンテンツがより表示されやすくなっている

ユーザーだけでなく、SNS側も著しい進化を遂げています。

AIが発達したことでユーザーのSNS上での行動がより詳細に認識・分析されるようになり、ユーザーにとって魅力的な投稿が表示されやすくなりました。良質なコンテンツはとくにSNS側からおすすめされやすいため、小規模なアカウントやSNS運用をはじめたばかりのアカウントでも、ユーザーにとって魅力的な投稿を繰り返すことで認知されやすくなっています。

SNSの使い分け方4つ

それでは、SNSの具体的な使い分け方について詳しく解説します。4つの使い分け方を紹介しますので、ぜひ「これならできそう!」という使い分け方を見つけてみてください。

ターゲット別に使い分ける

複数のターゲットに向けて情報発信をおこないたい場合は、ターゲット別に利用するSNSを使い分けるのがおすすめです。たとえば、兵庫県・家島で移住促進に取り組んでいる「いえしまコンシェルジュ」では、観光客向けにはInstagram、移住検討者向けにはnoteとSNSを使い分けています。

ターゲット別にSNSを分けることによって、ユーザーにとっては1つのSNS上で自分の欲しい情報がまとまっており、情報を探しやすくなります。「もっとこのSNSの情報が欲しい」という気持ちになりやすいため、フォロワー増加につながりやすくなります。

家島の事例については、のちほどより詳しく解説します。

発信する内容別に使い分ける

発信する内容によってSNSを使い分けるのもおすすめです。たとえば、香川県の小豆島にある「道の駅小豆島オリーブ公園」では、Instagramを観光客向けの来島のきっかけづくりとして活用し、Facebookでは道の駅の公式情報(休館日のおしらせやイベント情報など)を発信しています。

もしFacebookにすべての情報が集約されていたら、公式情報を探したいユーザーにとっては欲しい情報を得づらい内容になっていまいます。このように、発信内容別にSNSを分けることもユーザーにとっては利便性向上につながります。

小豆島の事例についても、のちほどより詳しく解説します。

相性やリソースで使い分ける

地域性などとの相性で使い分けるのも一案です。たとえば、美しい景観が人気の地域ならば写真での訴求に適しているInstagramが相性がよいでしょう。歴史的な文化財などが多くあり、文章で奥深く発信できる背景があるならばnoteもおすすめです。

SNSは継続が大切なので、はじめてのSNS運用の場合は人的なリソースをベースに使うSNSを決めるのもよいでしょう。たとえば、写真を上手に撮れる人がいるならInstagram、こまめにポストできる人がいるならX、動画編集ができそうならばYouTubeなど、「続けやすい環境を構築する」こともSNS運用には必要な視点です。

すべてのSNSで同じ内容を発信する(あえて使い分けない)

最後にご紹介する方法は、「すべてのSNSで同じ内容を発信する」という手法です。「そんなのアリ!?」と思われるかもしれませんが、コンテンツの使い回しは以下の観点からマーケティング施策として有効です。

  • 少ない労力で多くのSNSを運用できる
  • SNSごとに与える印象や世界観が異なるといった問題を解決できる
  • 多くのSNSを運用できるため、新規ユーザーを取り込みやすくなる

同じ内容を投稿するとユーザーに飽きられるのでは?と感じるかもしれませんが、ひとつの発信元のすべてのSNSを追うユーザーは多くありません(いたとしたら相当なファンですね!)。同じ内容であってもSNSごとに人気の出る投稿は異なることも多いので、ある程度軌道に乗ったら人気のある投稿内容を分析してSNSを使い分けていくのもおすすめです。

SNSの使い分けに成功した離島事業者の事例をご紹介!

お待たせしました!

それでは具体的なSNSの使い分け事例をご紹介します。紹介する事例は、以下2つの離島事業者の事例です。

  • 兵庫県家島「いえしまコンシェルジュ」
  • 香川県小豆島「道の駅小豆島オリーブ公園」

【事例1/家島】観光客と移住者を呼び込むためのInstagramとnoteの使い分け

兵庫県の瀬戸内海播磨灘に浮かぶ家島。家島で移住促進や宿泊施設の運営をおこなう「いえしまコンシェルジュ」では、ターゲットごとにInstagramとnoteを使い分けています。

いえしまコンシェルジュの中西さん(写真左)と麻田さん(写真右)

いえしまコンシェルジュのInstagramの使い方

いいえしまコンシェルジュのInstagramでは観光客向けに情報発信をしています。目的は家島のことを知ってもらうことと、「行ってみたい」と思ってもらうこと。投稿内容は観光地やイベント、新しい観光施設の情報が中心で、撮影を担当しているのはいえしまコンシェルジュの麻田さんです。Instagramにはどこかノスタルジックな雰囲気のある美しい写真が並んでいます。

いえしまコンシェルジュのInstagramの特徴は、キャプション(写真下の文章を書く欄)に日本語・英語の2言語で投稿文を記載している点。将来的なインバウンド需要の高まりを見越し、種まきのために英文を追記しているとのことです。

いえしまコンシェルジュのInstagramはこちら

いえしまコンシェルジュのInstagram

いえしまコンシェルジュのnoteの使い方

noteのターゲットは家島への移住を検討している人です。家島についてより詳しく、密度の濃い情報が文章でまとめられています。

実は、いえしまコンシェルジュの中西さんは大阪のご出身で、家島に惚れ込み2011年に家島に移住しました。noteにはリアルな移住者である中西さんの経験談もつづられており、移住検討者が移住後の生活をイメージしやすいよう工夫されています。

いえしまコンシェルジュのnoteはこちら

noteには家島の「濃い」情報が発信されている

家島のSNSの使い方については、以下の記事にてより詳しく掲載しています。

【家島】「まずは認知」移住者を増やすためのSNS施策と宿泊施設の運営 -いえしまコンシェルジュ 中西 和也・麻田 景太 #2

【事例2/小豆島】来島のきっかけづくりを仕掛けるInstagramとFacebookの使い分け

次に、香川県の小豆島にある「道の駅小豆島オリーブ公園」のSNSの使い分け方について解説します。

小豆島オリーブ公園のInstagramの使い方

白いギリシャ風車に青い空、碧い海…の、手前にはほうきに乗った魔女!?

2017年ごろ、このような写真がInstagram上で数多く拡散されたことをご存じの方も多いかもしれません。実は、このInstagram上でのバズは小豆島オリーブ公園の集客のために仕掛けられたものでした。

魔女に扮して写真を撮る一大ブームが巻き起こった(道の駅小豆島オリーブ公園公式HPより)

小豆島オリーブ公園の営業推進部部長である佐伯さんは、当時Instagram上で巻き起こった「映える写真をマネして投稿する」というムーブメントを見逃しませんでした。そこで無償で魔法のほうき貸し出しをスタートし、小豆島オリーブ公園の公式Instagram上で上記のような写真を投稿。

すると、同じような写真を撮ることを目的とした来島者が徐々に増え、Instagram上にたくさんの「空飛ぶ魔女」写真が投稿されました。

当時公式Instagram上に投稿された写真。同様の写真を撮ることを目的に、多くの観光客が来島した。

小豆島オリーブ公園のInstagramは集客装置として機能し、小豆島全体への観光客の誘致に成功しました。

「インスタ映えを狙ってバズを仕掛ける」戦略は、2017年ごろに大ブームとなった手法ですが、一大ブームを経た現在、「よいと思った写真を撮ってSNS上にアップする」行動は幅広い世代のInstagramユーザーに定着しています。いかにユーザーに「シェアしたい」と思わせるかは、Instagram運用の成功のコツとなるでしょう。

以下の記事では、ユーザー心理を突いてInstagramから集客をするためのコツについて、成功事例とともに解説しています。ぜひこちらの記事も参考にしてください。

小豆島オリーブ公園のInstagramはこちら

小豆島オリーブ公園のFacebookの使い方

一方、Facebookには小豆島オリーブ公園の公式情報が投稿されています。休館日のおしらせや新商品情報、イベント開催についてなど、足を運ぶことを決めているユーザーにとって過不足のない情報発信がされています。

小豆島オリーブ公園のFacebook

小豆島オリーブ公園のSNSの使い方は、ターゲットが同じであっても発信する内容をSNSごとに切り分けることによって、拡散力が高くなったりユーザーの利便性が向上したりするよい事例であるといえます。

小豆島オリーブ公園のFacebookはこちら

SNS戦略が当たり、集客が安定した小豆島オリーブ公園では、次のフェーズに向けて着々と準備を進めています。小豆島オリーブ公園営業推進部部長である佐伯さんは、小豆島オリーブ公園を島全体を盛り上げるプラットフォーム化したいと語っています。そんな佐伯さんの頭のなかを覗くことができるインタビュー記事はこちらです。

【小豆島】唯一無二のプラットフォームになるために –道の駅小豆島オリーブ公園 佐伯 哲 #3

SNSを適切に使い分けて、地域の魅力を伝えよう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

頭を悩ませることが多いSNS運用ですが、適切に使い分ければ観光客の集客や自社の認知度拡大に大きく貢献します。SNS運用はこれからだという方も、すでにはじめているという方も、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。

私たち「はなれじま広報部」は、自社のビジネスを地域振興や観光客誘致につなげていきたい事業者さまを応援しています。SNSなどを活用した適切なPRや特産品を全国に届けるECのチカラで、ビジネスも地域経済も一緒に盛り上げていきましょう!

お問い合わせはこちらまで。

企画/執筆:松井紗李
編集:ハテシマサツキ

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