基本情報
島名:向島(むくしま)
都道府県:佐賀県
市区町村:唐津市
指定地域名:玄海諸島
面積:0.3 ㎢
周囲:4 ㎞
標高:67 m
人口:50人(2020年度・国勢調査)
来島者数:200人(2016年)
神功皇后が名付けた“「向こうを向いている島」”。島全体が一つの家族のよう。
玄界灘に浮かぶ佐賀県の離島で一番小さな島。県北西部の星賀港より定期船で約15分ほどの距離にあります。島名は神功皇后が神羅遠征の際に、加唐島から眺めて「あの島は向こうを向いている」といったのが由来であると伝えられています。
島全体が一つの家族のようなアットホームな雰囲気があります。産業は漁業が盛んで、海士漁で獲るサザエやウニ、アワビなどが名産です。
島には「おたよ伝説」という悲恋物語が伝えられています。ある若者が向島で流刑になった女性を助け出そうとしましたが、役人に見つかり処刑されてしまいます。その後処刑をした役人に不幸が続いたため、彼女を供養する墓を建てたといわれています。
東側の八坂神社の隣には、向島小学校で初代校長と共に島の教育に尽力された松尾春子先生の碑があります。時代の流れとともに島を去る先生たちが多い中、最後まで島に残り子供たちを愛した松尾先生は慈母のような存在でした。
近年では、2021年に高齢者施設「サテライト向島」という島民の一生に寄り添う施設が開設されました。カフェも併設されており、島を愛する人たちの思いを実現した施設です。
グルメ情報
・がぜみそ
黒ウニを殻ごと湯がいて身と砂糖と味噌をまぜ、最後はすり鉢で摺って丁寧に仕上げる。昔から島の味として親しまれ、お酒にもご飯にも合う味わい。
・向島バーガー
パテ、チーズ、目玉焼き、レタスをバンズで挟んだ手作りのバーガー。添加物不使用の素朴な味が魅力。
・アジフライ定食
ボリュームたっぷりのアジフライ定食。付け合わせのひじきの酢の物も人気。しゃきしゃきとした歯ごたえのある島のひじきは独特な味わい。
みどころ
・肥前向島灯台
標高67mのクラマ岳の頂上にある1953年に建てられた高さ80m程の灯台。3秒に1回発するその光は14km先まで到達する。
・向島八坂神社
毎年8月1日に「向島祇園」という祭りが催される神社。「にぎわい見るなら博多の祇園、酔いどれ見るなら向島祇園」と言われるほどの賑わい。
・たて岩
島の北海岸にある玄武岩の柱状節理(規則性のある割れ目のこと)が見られる断崖。
側には洞窟があり、海賊に襲われた島民が逃げ込んだといわれている。秀吉に追われた武将が身を隠し財宝を埋めたという伝説もある。