離島の暮らしに不可欠なインフラである航路。しかし、人口減による利用者の減少と燃料費や人件費の高騰によって、航路の運営環境は年々厳しさを増しています。そんな離島航路を維持するための法律が、離島航路整備法です。
この記事では、島に特化した情報発信を行う「はなれじま広報部」が離島航路整備法の条文や対象の航路、補助制度の仕組みを解説します。
離島航路整備法とは何か?
離島航路整備法とは、離島での生活に欠かせない航路を維持するための法律です。離島航路整備法の条文では、その目的を以下のように定めています。
航路は、離島において人や物資の移動の生命線。離島住民の生活維持に直結する必要不可欠なインフラです。ただ、近年はガソリン価格の高騰や人手不足により、燃料費や人件費が上がる一方で、離島人口の減少に伴い利用者は減少傾向にあります。
そんな採算面で構造的な課題を抱える航路を維持するため、国はこの法律に則って離島航路事業者に対して補助金を交付してきました。2011年以降は陸路・航路・航空路の維持を目的とする「地域公共交通確保維持改善事業」の一部として、引き続き補助金制度を実施しています。
対象の航路は?
ここでの「離島航路」とは本土(本州、北海道、四国、九州)と離島または離島同士をつなぐ航路等を指します。

補助金制度の対象となるのは、「唯一かつ赤字の航路」。対象航路の主な基準は、以下のように定められています。
② 本土と①の地域又は①の地域相互間を連絡する航路であり、かつ、以下のいずれかに該当すること。
イ) 他に交通機関がないか又は他の交通機関によることが著しく不便となること。
ロ) 同一離島に複数航路が存在する場合、同一離島について起点港を異にし、終点が同一市町村にない航路であり、協議会で決定された航路であること。
③ 陸上の国道又は都道府県道に相当する海上交通機能を有すること。
④ 関係住民のほか、郵便・信書便又は生活必需品及び主要物資等を輸送していること。
⑤ 航路経営により生じる欠損見込が明らかにやむを得ないと認められること。
現在、離島航路は全国に276(2024年4月時点)あり、うち補助対象の航路は約半数の127(2024年10月時点)にのぼります。例えば、女川~江島(宮城)、東京~八丈島(東京)、石垣島~与那国島(沖縄)などが補助対象の航路として指定されています。
補助制度の仕組み
離島航路に対する補助制度には、①離島航路運営費補助②離島住民運賃割引補助③離島航路構造改革補助の3つがあります。
①離島航路運営費補助:離島航路を運営する事業者(公営、民営、第三セクター含む)に補助金を支給
②離島住民運賃割引補助:協議会が決定した運賃水準に引き下げるための費用の½を支援
③離島航路構造改革補助:公設民営化等による船舶の代替建造費用を支援
国はこれらの補助制度に対して、約70.5億円(2025年度)の予算を当てています。
例えば2024年度の沖縄県では、14の離島航路事業者に合計6億514万円の補助金が交付されました。
離島航路整備法は航路維持の生命線
全国の離島航路の約半数を補助対象とする離島航路整備法は、採算面で構造的な課題を抱える離島航路にとって命綱とも言える存在です。
はなれじま広報部では、島図鑑で日本の有人島417島全てを紹介しているほか、インタビューや特集で島の魅力やそこで活躍する人々を詳しく取材しています。
離島航路の維持は、日々島に渡って取材を行う私たちにとっても切実な問題です。離島航路を取り巻く環境がこの先も厳しさを増すことが予想される中で、島と本土のつながりに必要不可欠なインフラを守るにはどうすればよいのか。自律航行技術や無人運航船など新たなテクノロジーも使った民間の取り組みも動き出しており、これからも目が離せません。





