北海道の島ではサンマやホッケ、沖縄の島ではマグロやカツオ。同じ日本の海に囲まれた離島なのに、獲れる魚がまるで違います。そして、その違いを生んでいるのが「海流」です。
日本の離島に特化した情報発信を行う「はなれじま広報部」が、黒潮と親潮の違いと、離島の漁業との関係を解説します。
黒潮と親潮——太平洋を流れる海流

海流とは、海の中を一定の方向に流れ続ける大きな水の流れのこと。日本の太平洋側では、「黒潮」と「親潮」という2つの海流が海の環境を大きく左右しています。
親潮(千島海流)
オホーツク海から千島列島沿いに南下してくる寒流。栄養分を豊富に含んでいるのが最大の特徴で、北海道から東北の沿岸に豊かな漁場をもたらしています。
黒潮(日本海流)
フィリピン付近から北上し、沖縄・奄美を経て日本列島の南岸に沿って東へ流れる暖流。暖かく透明度の高い海水が特徴で、大型の回遊魚がこの流れに沿って回遊します。
違いは水温だけじゃない
黒潮と親潮のもっとも大きな違いは「栄養の量」にあります。
親潮
親潮は栄養塩(プランクトンの餌になる成分)が非常に豊富な海流です。プランクトンが増え、それを餌に小魚が集まり、さらに大型の魚も寄ってきます。「親潮」という名前は、魚や海藻を育てる「親」のような存在だから、というのが由来です。海の色も、プランクトンが多い分、緑がかって見えます。
黒潮
一方の黒潮は、栄養塩が少なくプランクトンも少ない海流です。海水の透明度が高く、光が深くまで届いて吸収されることで海が青黒く見えることが、「黒潮」という名前の由来です。黒潮は暖かな海流であることから、暖かい海域で産卵するマグロやカツオといった大型の回遊魚が、この流れに沿って移動していきます。
海流の影響で獲れる魚が変わる

離島で獲れる魚が島ごとに違うのは、その島がどの海流の影響を受けているかで決まります。
沖縄や奄美の離島は黒潮の流域にあり、回遊魚が通る海域に位置しています。そのため、これらの魚を狙った漁業が盛んです。
一方、利尻島や礼文島など北海道の離島では親潮の影響が強く、昆布やウニ、ホッケ、サケなど、冷たい海を好む生き物が多く見られます。
そしてこの2つの海流がぶつかる三陸沖には「潮目」が形成され、世界三大漁場のひとつとも言われています。三陸沖に浮かぶ気仙沼大島(宮城県)などは、まさにこの潮目の恩恵を受けている離島。海流は目に見えませんが、離島の漁業や海の特徴を大きく左右しています。
はなれじま広報部では、瀬戸内海の潮流で育つブランド魚「ぼうぜ鯖」に迫った記事や、冬の利尻島での特集記事など、海と島の暮らしが見えるコンテンツをお届けしています。





