日本に34ある国立公園。そのうち、離島を含むものは意外と多くあります。なぜそれらが「国の公園」に選ばれるのか。その理由を、離島の情報発信に特化した「はなれじま広報部」が紐解いていきます。
「きれいだから」選ばれるわけではない?
国立公園は、自然公園法にもとづいて環境大臣が指定する、日本でも特に重要な自然風景地です。管理は国(環境省)が行いますが、立ち入りが制限されるわけではありません。
ただし、区域内は「特別保護地区」「特別地域」「普通地域」に区分され、開発や動植物の採取には一定の制限が設けられています。
国立公園と聞くと「自然がきれいな場所」という印象がありますが、選ばれる基準はそれだけではありません。地形・地質・生態系としての価値があり、それらを守りながら利用できることが前提となっています。
離島がどうして国立公園に?
34か所の国立公園のうち、離島を含む場所は少なくありません。
離島に多くの国立公園が見られる理由として、大規模な開発が入りにくく、手つかずの自然が残りやすいこと。そして、小笠原諸島のように独自の進化を遂げた固有種が多く、学術的な価値が高いことが理由に挙げられます。
また、離島を含む国立公園は、海と陸が一体のものとして評価されます。慶良間諸島国立公園はその代表例で、公園面積の約4分の3を海域が占めています。ここはもともと沖縄海岸国定公園の一部でしたが、248種の造礁サンゴ(日本全体の約62%)が確認されたことから、2014年に国立公園に指定されました。

ザトウクジラの繁殖地やアオウミガメの産卵地でもあり、海の生態系と陸の景観を一体として守る必要があると判断されたのです。
離島にはどんな国立公園がある?
離島が含まれる国立公園は、北から南まで性格が異なります。いくつかの例を見てみましょう。
慶良間諸島国立公園(沖縄県)
那覇の西約40kmに浮かぶ大小30余りの島々。2014年に31番目の国立公園として新規指定されました。公園面積の大半を海域が占めるのが最大の特徴です。
瀬戸内海国立公園(小豆島ほか)
1934年に日本初の国立公園のひとつとして指定。1府10県にまたがる国内最大の面積を持ちます。小豆島の寒霞渓や家島諸島など、島々が海に浮かぶ「多島海景観」そのものが保護の対象とされています。

小笠原国立公園(東京都)
東京から約1,000km南にある国立公園。大陸と一度も陸続きになったことのない海洋島で、独自の進化を遂げた固有種が多く、世界自然遺産にも登録されています。
西海国立公園(長崎県)
九十九島から五島列島へ続く多島海景観の公園。五島列島地域だけで公園面積の約67%を占めます。隠れキリシタンの文化遺産が残る歴史的な島々も含まれています。
はなれじま広報部では、瀬戸内海国立公園に含まれる家島の日常に触れた記事、男鹿島で大学生を「島流し」してみた記事なども掲載しています。島のリアルな姿も、あわせて覗いてみてください。






