離島航路で使われている高速船「ジェットフォイル」。最高時速はおよそ80kmに達します。なぜそんなに速いのか。揺れにくいのに、なぜ欠航が多いのか。
日本の離島に特化した情報発信を行う「はなれじま広報部」が解説します。
ジェットフォイルとは

ジェットフォイルは、船体の下に「水中翼」と呼ばれる翼を持つ高速旅客船です。もともとはアメリカのボーイング社が軍事用に開発したもので、現在は川崎重工業がライセンスを引き継いで製造しています。
国内では新潟〜佐渡、東京〜伊豆諸島、鹿児島〜種子島・屋久島といった主要な離島航路に約20隻が就航中です。
ジェットフォイルの特徴はなんといってもその速さ。例えば新潟港から佐渡島まで、フェリーで約2時間30分かかる区間を約1時間に短縮できます。こうした点から、ジェットフォイルは離島の交通インフラとして欠かせない存在となっています。
速くて揺れにくい理由

ジェットフォイルが速い理由は、水に浮かぶのではなく、水面との接触を極端に減らして進む仕組みだからです。
速度が上がると水中翼に浮き上がる力が生まれ、船体は海面から持ち上がります。水に触れる部分が翼と支柱だけになることで抵抗が大きく減り、その結果、時速約80kmという速度を出せるのです。
揺れにくいのは、船体を水面から持ち上げて進むため、波の影響を受けにくいからです。さらに、自動姿勢制御装置が翼の角度を細かく調整し、縦揺れや横揺れを抑えています。船酔いしにくい船として知られているのは、こうした仕組みによるものです。
それでも波に弱いのはなぜか
揺れにくい一方で、欠航が多いのもジェットフォイルの特徴です。理由は「揺れるから」ではなく「浮けなくなるから」。
ジェットフォイルが安定して航行できるのは、水中翼がつねに水中にあるときです。波が高くなると翼の位置が上下し、揚力が安定しません。その結果、船体を浮かせた状態を維持できなくなるのです。
それゆえ、波が高い日には安全を優先して運航が見送られます。
海を飛んでみませんか?
初めて航行中の姿を見ると、びっくりしてしまう乗り物、ジェットフォイル。日本でも、いくつかの航路で実際に乗ることができます。島に渡る際には、選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
はなれじま広報部では、残念ながら冬の荒天により、ジェットフォイルでの渡島を諦めてフェリーで向かうこととなった佐渡旅の記事もお届けしています。ぜひ読んでみてください!





