世界でただ一か所、沖縄県の西表島(いりおもてじま)にだけ暮らすイリオモテヤマネコ。推定わずか100頭の、国の特別天然記念物です。なぜこの島にしかいないのか、どのようにして小さな離島で生きのびてきたのか。離島に特化した情報発信を行う「はなれじま広報部」と一緒に見ていきましょう。
イリオモテヤマネコとは
イリオモテヤマネコは、アジアに広く分布するベンガルヤマネコの仲間です。体長50〜60cm、体重3〜5kgと、ふだん街で見かける猫とほぼ変わらない大きさ。丸い耳と額の縞模様が特徴です。
学術的に発見されたのは1965年で、現在は国の特別天然記念物に指定されています。
なぜ西表島にしかいないのか

約20万年前、氷河期で海面が大きく下がっていた時代に、大陸にいたベンガルヤマネコの祖先が琉球列島まで渡ってきたと考えられています。ところが氷河期が終わると海面が上昇し、西表島は深い海峡に囲まれて孤立。ヤマネコたちは大陸へ戻る道を失いました。
島の環境に適応しながら、長い時間をかけて生き残ってきた存在が、現在のイリオモテヤマネコです。
小さな島で生きのびられた理由

野生のネコは広い行動圏を必要とするため、面積283km²の西表島はイリオモテヤマネコが暮らす環境としては、決して余裕のある広さではありません。しかも、他のヤマネコが主食とするネズミやウサギも多くはありません。
そのため、ふつうネコ科が手を出さないカエルに加え、トカゲやヘビ、昆虫、鳥、エビやカニといった、その場で捕まえられる生きものを幅広く食べています。
こうした餌となる生き物の多様性を支えているのが、島の水環境です。西表島には森だけでなく、川や湿地、マングローブがまとまって残っていて、小動物が豊富に生息しています。
はなれじま広報部では、西表島と同じく世界自然遺産の地である奄美群島から、請島・与路島のスターリンク導入を取材した記事をお届けしています。離島のインフラ事情が気になった方は、ぜひあわせてご覧ください。





