離島への旅で避けて通れないのが船での移動。港を出てしばらくすると、船酔いで景色どころではなくなるという人もいるのではないでしょうか。離島に特化した情報発信を行う「はなれじま広報部」と、船酔いの原因とその対策を解説します。
船酔いはなぜ起きるのか

船酔いは、体の感覚と目の情報にズレが生じることで起こります。
人間の耳の奥には「三半規管」と「耳石器」という器官があり、体の傾きや回転、加速を感知しています。ふだんの生活では、耳からの情報と目で見ている景色がだいたい一致しているため、脳はそれらを重ね合わせて「今どう動いているか」を判断できます。
ところが船に乗ると、この関係が崩れます。船内では体は揺れを感じているのに、目に入る壁や天井は動かないまま。このズレを脳が処理しきれなくなると、自律神経が乱れ、めまいや吐き気として現れます。
車酔いと原理は同じですが、船は上下・左右・前後の揺れが不規則に続くため、脳がより混乱しやすいのです。
船酔いを防ぐためにできること
大切なのは「感覚のズレをできるだけ小さくする」ことと、「自律神経を安定させておく」こと。この2つを覚えておけば、対策は取りやすくなります。
乗る前の準備
まずは体調を整えておくこと。睡眠不足や疲労がたまった状態では、内耳の情報を処理する脳の働きが落ち、揺れに敏感になります。前日はしっかり眠るようにしましょう。
食事は、空腹でも満腹でもよくありません。乗船の1〜2時間前に、消化のよいものを軽く食べておくのが適切とされています。
酔い止め薬は、乗船の30分〜1時間前に飲んでおくのが基本。効き始めるまでに時間がかかるため、酔ってから飲むのでは遅いです。
前日のお酒も控えめに。アルコールは内耳の機能に影響し、二日酔いは船酔いのリスクを高めます。
乗船中の過ごし方
乗ってからは、「感覚のズレを減らす」ことを意識します。
最も簡単なのは、外のデッキに出て遠くの景色を見ること。水平線のように動かない一点を見つめると、目と内耳の情報が一致しやすくなります。逆に、船室でスマホを見るのは、目は止まっているのに体は揺れている状態になるため、情報のズレが大きくなりやすい行動です。
座る場所にも気を配りましょう。船の中央付近は、船首や船尾に比べて揺れが小さくなります。風に当たるのも効果的で、新鮮な空気は自律神経を落ち着かせ、船内のにおいによる不快感も軽減できます。
それでも酔ってしまったら
気分が悪くなったら、無理に動かず横になって目を閉じましょう。吐き気がある場合は我慢しすぎないこと。吐くと楽になることもあります。
少しの準備で、快適な島旅を
船酔いを完璧に防ぐことは難しくても、「対策できるもの」だとわかっているだけで、不安はぐっと小さくなります。あとは、ほんの少しの準備だけ。
「酔うかもしれない」で止まっていた島旅も、少しだけ現実に近づくはずです。

はなれじま広報部では、荒れた冬の日本海を越えて利尻島を訪れた記事、フェリーで片道2時間を揺られてたどり着いた佐渡島での記事もお届けしています。ぜひご確認ください!






