【豊島】島旅は「一興」で良い。カメラを携えぶらり日帰り。

カメラを構えるハテシマサツキ

忙しくてどうしようもないのに、前に進んでいる感覚が全く無いとき。夢の中で全力疾走しているのに、足がうまく動かず焦る「あの感覚」にさいなまれます。

でも、気がついたんです。そんな時に島を訪れることで、心の整理が捗ることに。テスト前に掃除をしたくなる感覚とでも言いましょうか。

一見、遠回りの極致ともいえる島旅が教えてくれることとは、いったい何なのでしょう。

文:ハテシマサツキ

豊島ってどんな島?
瀬戸内海のほぼ中央、香川県と岡山県の間に浮かぶ豊島(てしま)は、面積約14.5km²、人口は約900人ほどの小さな島。かつては酪農や農業が盛んで「ミルクの島」とも呼ばれたそうですが、産業廃棄物問題に悩み、乗り越えたという過去があります。近年は瀬戸内国際芸術祭の開催により「アートの島」としても注目を集めています。

カメラを持って、船に乗る。

手に持ったRollei 35S

Photo with Canon EOS R7

今回旅のお供にしたのは、取材用機材のCanonのEOS R7(ミラーレス)と、プライベートで所有しているRollei(ローライ)35S(フルサイズフィルム)。Rollei 35Sはフィルムカメラです。

最近あまり持ち出す機会がなかったのですが、島で1本フィルムを使い切るという贅沢な遊びをしたかったので、今回の相棒に選びました。

フェリーてしま

Photo with Rollei 35S

記念すべき1枚目は感光してしまっていました。旅先なら、「こんなこともある」と割り切れてしまう不思議。岡山県・宇野港からフェリーで約40分で到着します。豊島には家浦港、唐櫃(からと)港という2つの港があります。今回は家浦港から上陸し、唐櫃港から帰ることに。

キャッシュはアフター

港に到着すると、私たちを含めて10名ほどが下船しました。港の前には、コミュニティバスが停まっています。どうやらフェリーに接続しているよう。道すがら食事をしつつ、豊島美術館へと向かうことに。

バス車内からの車窓

Photo with Canon EOS R7

バスに乗り込んだものの、料金支払いの勝手が分からずあたふたしていると、運転手のおじさんから「ノーノー、キャッシュはアフター」なんて言われます。

英語(?)で話しかけられると、脳がバグってしまってとっさに弁明できなくなりました。

誤解を解きつつ聞くと、最近の乗客はほとんどインバウンドだそう。2025年4月、瀬戸芸間近のタイミングで訪れましたが、今後はもっと増えるのだろうと思います。

路面に書かれたSLOWDOWNの文字

Photo with Rollei 35S

道路の表示もこの通り。最近書かれたみたいです。

荒天も一興。

海前のレストラン

Photo with Rollei 35S

雨は昼過ぎまで降り続け、海沿いのレストランからはどんよりとした空と海が見えます。波も瀬戸内海にしては荒く、コンディションが良いとはいえない状況でした。

「普段はもっと穏やかなので、レアな景色が見られて逆にラッキーですよ!」

店員の方がおっしゃっていました。

逆に、とつけるとすべて許せてしまうこともあります。
物事は表裏一体。幸運・不運なんてものは存在せず、ただそれぞれが都合の良し悪しで物事を見ているだけなのかもしれません。

アート思考の欠片

豊島美術館の外観

Photo with Rollei 35S

豊島美術館へ。

館内の展示は撮影禁止なので、外観のみで失礼します。
以前の企画で、デザイナーのりゅーくから学んだ「アート思考」を遺憾なく発揮できたような気がしました。

作者は何を思い、何を伝えたかったのか。
私は鑑賞中、「物事の切り抜き方で見え方が変わる」ことを肌で体感していました。

大きく切り抜かれた構造物から見える「島」は、それまで見ていたはずの豊島の姿とは、また違って見えたのです。

展示の様子は公式サイトに。ただ、実際に自分の感覚を使って空間ごと味わうのをおすすめします。

ねこのいる集落

2匹の猫

Photo with Rollei 35S

唐櫃(からと)集落に入ると、たちまち猫に囲まれてしまいました。耳がサクラの形にカットされているので、地域猫であることが分かります。

猫の目線(もはやネズミの目線?)で見た猫、お気に入りです。

ジムニーのパトカー

Photo with Canon EOS R7

猫が道を塞いでいたので、ジムニーのパトカーはバックして違う道を通っていきました。
豊島の日常が垣間見えたワンシーン。

ただ、歩くだけで良い。

瀬戸内国際芸術祭の開催も相まってアートに注目が集まりがちですが、今回印象的だったのは、豊島の「素」の部分でした。ただ島を巡るだけでも、見るもの、触れるものが五感を刺激するのが分かります。

旅では、予想だにしなかったことが多々起きますが、それすら醍醐味だと思う(ようにしている)のは、人生の本質かもしれません。産業廃棄物不法投棄事件の傷跡を受け止めながら前へ進む、豊島の姿とも重なります。

撮影・執筆:ハテシマサツキ

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