基本情報
島名:小与島(こよしま)
都道府県:香川県
市区町村:坂出市
指定地域名:塩飽諸島
面積:0.26 ㎢
周囲:1.5 ㎞
標高: 44 m
人口:2人(2020年度・国勢調査)
採石業が盛んだった花崗岩の島
塩飽諸島の中でも良質な花崗岩が取れる小与島。採石される花崗岩は「与島石」と呼ばれ、昭和の最盛期には30社もの採石業社が操業していました。しかし資源の枯渇と外国からの安価な石材の輸入により、現在は島にあった採石場はすべて閉鎖されています。
採石場の閉鎖に伴い、最盛期には200人近かった住民たちも、島外へ移り住んでいきました。かつては子どもたちが船で与島の小学校・中学校へと通う姿も見られましたが、現在の小与島には1世帯2人だけが暮らしています。
当時は定期船が坂出や児島と小与島を結んでいたほか、近隣の与島で開業していた商業施設「瀬戸大橋京阪フィッシャーマンズ・ワーフ」から渡船も運航されていました。しかし、現在定期船はありません(瀬戸大橋京阪フィッシャーマンズ・ワーフも閉業済み)。
バブル崩壊で散ったリゾート「ホテルアクア小与島」
瀬戸大橋が開通した1988年、小与島の隣に浮かぶ与島には多くの観光客が押し寄せました。当時、この観光ブームを予想した会社が、小与島全体をベネチア風のレジャーランドにする計画を策定。その足がかりとして建てられたのが、「ホテルアクア小与島」です。
「アクア小与島」は全室がオーシャンビューの豪華なリゾートホテルで、敷地内にはプールやテニスコート、展望浴室などが完備されるなど、絶好のロケーションと充実の設備を誇りました。しかし、経営会社がバブル崩壊により経営不振に陥ってしまい、わずか10年ほどで閉業となってしまいました。
現在「ホテルアクア小与島」は廃墟ホテルとなって小与島に残されています。小与島へのアクセスはチャーター船や海上タクシーのみですが、ときどき廃墟巡りが趣味の観光客が訪れることも。廃墟として比較的新しいながらも、壁が剥がれたり、植物がはびこる様子には哀愁が漂います。
自然の中に残るササユリ
小与島には葉の形が笹によく似た「ササユリ」が群生しています。ササユリは日本固有種ではありますが、花や球根が販売される一般的なユリ。しかし香川県内では小与島にのみ群生しているため、香川県指定天然記念物となっています。







