基本情報
島名:黄島(きじま)
都道府県:岡山県
市区町村:瀬戸内市
指定地域名:牛窓諸島
面積: 0.41㎢
周囲:4.5 ㎞
標高:59 m
縄文時代の貝塚がみつかった島
瀬戸内海国立公園の特別地域に指定されている島です。牛島諸島の一島で、前島の350メートルほど沖合に位置しています。かつては島民が畑作をしたり、前島の住民の耕作地として利用されたりしていました。江戸時代に作られた吉備温故には「木島」と記されています。
昭和18年に、約8000年前にあたる縄文時代初期の貝塚や古墳が発見され、黄島貝塚と名付けられました。島の南西にのびる大地から見つかった貝塚の範囲は約25メートル×約10メートル、厚さは約25センチメートルです。この貝塚は下の層にヤマトシジミを主とする貝層、上の層にハイガイを主にする貝層が見つかっており、平原から海へと瀬戸内海が形成されていく様子を示す貴重な遺跡として知られています。
観光地としての黄島
島への定期運航はないため、近くの牛窓港から船をチャーターして15分ほどかけて到着できます。黄島周辺の海は、近年「日本のエーゲ海」ともいわれるほど綺麗な海で、映画やドラマのロケ地に選ばれている場所です。牛島諸島をめぐる小型フェリーツアーもあり、前島や黒島、青島と一緒に訪れることができます。
宗教法人が所有する水の聖地
現在、黄島はその大部分を宗教法人「神慈秀明会」が所有しています。島内には関係者のみが滞在しており、青少年育成を目的に施設の建築などが行われ、海岸近くには貝塚をモチーフにした黄島神殿が建てられました。
また青少年が主体のキャンプが行われたり、農作物を育てたりと島の立地と環境を生かした活動が続けられています。