島を歩いていると、たくさんの猫に出合えることがあります。人口数十人の島に猫が100匹以上棲むといった「猫島」も、日本各地に点在しています。なぜ島にはこれほど猫が多いのでしょうか。その背景と代表的な猫島を、離島に特化した情報発信を行う「はなれじま広報部」が紹介します。
なぜ島では猫が増えやすいのか
島に猫が多いのは、人の暮らしの中で持ち込まれ、島の環境で増えやすくなったためです。もともと猫は、漁具や蚕を守るためのネズミ対策として島へ連れてこられました。その後、漁師が魚を分け与えるなど、人との距離が近い関係のなかで定着していきます。
さらに島は、野犬や交通量といった外的な脅威が少なく、猫にとって暮らしやすい環境です。一方で、獣医療の体制が限られることから避妊・去勢が進みにくく、自然繁殖が起こりやすい側面もあります。こうした背景から、島では猫が増えやすくなっています。
有名な猫島を4島紹介
●田代島(宮城県石巻市)

日本の猫島ブームの火付け役ともいえる島。人口約50人に対し、猫は100匹以上。2013年にアメリカのCNNが「世界6大猫スポット」に選んだことで、国内外から注目を集めました。島の中央には猫を祀る「猫神社」があります。
●相島(福岡県新宮町)

新宮港からフェリーで15分ほど。田代島とともにCNNの猫スポットに選ばれた島です。人口約200人に対し、猫も同じくらいの数が暮らしているとされています。
猫のお世話をされている「特定非営利法人SCAT」の代表理事様へのインタビュー記事はこちら。
●佐柳島(香川県多度津町)

堤防の切れ目を猫がジャンプして飛び越える「飛び猫」の撮影地として知られる、瀬戸内海の小さな島。島民約40人に対して猫は100匹以上。廃校を改装したゲストハウス「ネコノシマホステル」もあり、猫とゆっくり過ごせる環境が整っています。
●青島(愛媛県大洲市)

かつては200匹以上の猫が暮らし、メディアで「猫の楽園」と紹介されたこともある島。2018年に全頭への不妊去勢手術が行われ、現在の猫の数は70〜80頭ほどまで減少したといわれています。猫島が抱える課題を考えるうえでも、象徴的な島です。
猫の楽園が続いていくように
近年、「猫島」は観光資源として注目され、SNSやメディアを通じて多くの人が訪れるようになりました。猫と触れ合える魅力は大きく、島の知名度向上にもつながっています。
一方で、猫の健康や頭数の管理は、限られた島民やボランティアの手で支えられ、エサやりのルールや立ち入り制限など、共存のための取り組みが続けられています。
そして、近年は不妊去勢手術の実施が進み、猫の数が減少している島も少なくありません。かつては「猫の楽園」と呼ばれた島でも、現在は猫の数そのものが落ち着いてきているのもまた事実です。
猫島は、猫と近い距離で過ごせる、癒しの場所です。猫たちが気ままに暮らす風景が、これからも変わらず続いていってほしい。だからこそ、ルールを守ることと、島の生活に配慮すること。訪れる際、この2つだけは大切にしてください。そんなささやかな願いを、少しだけ共有できたらうれしく思います。
はなれじま広報部では、二度相島に訪問して感じた、島猫の無防備さについて綴った記事もお届けしています。可愛い猫の写真もたくさん掲載していますので、ぜひご一読ください!






