離島に熊はいる?可能性は低いが、「絶対にいない」とは言い切れないワケ
人里に近づく熊が増え、人が熊に襲われたというニュースを頻繁に耳にするようになりました。では、海に囲まれた離島でも熊は生息しているのでしょうか?
離島に特化した情報発信を行う「はなれじま広報部」が、熊の生息が確認されていない離島や、離島で熊が出没した事例を紹介します。
離島に熊はいる?
そもそも離島は、熊が生息しにくい環境だと考えられます。海で隔てられているため熊が移動してきにくく、生息地となる山地や森林も本土に比べて小規模だからです。
離島を対象にした熊の生息調査はないため、全ての離島に熊が生息していないとは言い切れませんが、こうした地理的な要因から離島に熊がいる可能性は本土より低いと言えます。
実際に新潟の佐渡島は、公式観光サイトで「熊はいない」と発信しています。
また、環境省が2018年度に実施した調査では、以下10県について「現在の知見から生息が確認されていない」としています。(出典:平成30年度(2018年度)中大型哺乳類分布調査 調査報告書)
千葉、香川、九州各県(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)
九州では、2012年に環境省がツキノワグマの絶滅を発表しました。千葉は房総半島が利根川・江戸川で隔てられているため熊の侵入が難しいこと、香川は面積が狭く、かつ平野部が多いことが熊の生息を難しくしているとみられています。

利尻島の事例:離島だから熊がいないとは言い切れない
このように離島に熊がいる可能性は低いものの、稀に海を渡った熊が島に上陸することがあります。
実際に、2018年6月に約19km離れた北海道本土と利尻島の間をヒグマが泳いで渡り、島に上陸したことが無人カメラの映像から分かっています。利尻島で熊が確認されたのは実に106年ぶりのことでした。専門家は、繁殖のためメスを探して海を泳いできたのではないかとみています。
幸いにもこの熊による人的被害はなく、その後目撃が途絶えたことから、再び泳いで本土に帰ったとみられています。
本土から比較的近い離島では海を泳いで熊がやってくることもあり得るため、「離島だから絶対に熊はいない」とは言い切れません。
万が一の事態に備えて、安全に島旅を
海で隔てられ、熊が生息できる広大な森林や山地が少ない離島は、本土に比べると熊が生息している可能性が低いと言えます。しかし利尻島の事例のように、これまでに生息が確認されていないからといって、現在もいないとは限りません。
熊の生息可能性がある森林や山地に近づく場合は、万が一の事態に備えて熊鈴や撃退スプレーも活用しながら、安全に島の旅を楽しんでください。はなれじま広報部では、島旅を楽しむための情報として、フェリーで酔わない方法や雨の日でも島の山を楽しむ方法を発信しています。