数々の離島に赴き、食べて、話して、体験してを繰り返している「はなれじま広報部」。
今回私たちが向かったのは、猫島として名高い福岡県の相島(あいのしま)です。猫が多く棲む島は日本にいくつかありますが、相島は米メディアCNNから「世界6大猫スポット」として認定されたこともあり、特に多くの猫Loverが国内外から訪れます。
これは、成人男性2名が相島で猫と触れ合う様子を率直な感想とともにお届けする記事です。猫島におけるマネタイズを取材した、メインの取材記事はこちらから。
猫と触れ合ってこなかった人生だった
私、ハテシマサツキは最近になって猫の魅力に気がついた、いわば「猫初心者」です。幼少期に飼っていたこともないですし、なんなら20代に入るまで猫に触ったことがありませんでした。最近になって、自分が猫アレルギーだってことを知ったくらい。
それゆえ、正直なところわざわざ「猫を目当てに島へ行く」という方たちの気持ちを理解できていませんでした。たしかに、猫はかわいい。それでも島へ行くほどなのだろうか、と。
今回はそんな自分自身と向き合うためにも、福岡へと向かったといえます。
いざ猫の島へ
相島へ向かう際には、新宮港という港から「町営渡船しんぐう」に乗ることになります。港すぐの場所に駐車場があるほか、新宮港まではJR「福工大前」駅からコミュニティバスが運行されている(2024年12月現在)ため、アクセスは良好だといえるでしょう。
私たちは今回、博多駅近くからカーシェアを利用して新宮港へ。高速を使ってだいたい1時間くらいでした。フェリーの料金は片道480円。往復しても1,000円かからない気軽な船旅、嬉しいですね。
ちなみに取材時点(2024年9月)では、「しんぐう」のメンテナンスを行っていたようで、定期航路は代船で運航されていました。鯛ノ浦…というと長崎・上五島ですね。写真には撮影していませんが、船体前部にカーペット敷のスペースがあったのでそこに座ることに。人が多かったので少しだけ気まずい…(笑)
フェリーに揺られて約15分。ついに相島へ上陸です。島内に入ってすぐ待ち構えていたのは、手作り感満載の招き猫でした。「おいでニャ」というセリフにもかかわらず眼光が鋭いのは、猫好きとしての素質があるか見極めるためでしょうか。
そんなことを言っている間にも、たくさんの猫が視界に入ってきます。そう、私たちは猫島にやってきたのです。
僕らが猫島に惹かれる理由。
島内ではいたるところで猫がくつろいでいます。取材日はかなり残暑が厳しかったのですが、それでも猫が多いな〜という印象。海辺を歩く猫もいて、ふと足が止まりました。
相島は古くから漁業で栄え、ねずみ取りのために猫が飼われたという背景を鑑みると、ここに住む方にとって「海と猫」という景色は見慣れた日常だと思われます。しかし、来島者の多くはこの光景を非日常として捉えているはずです。
普段路地裏で野良猫を見ることはあっても、海とのコントラストは新鮮だよなぁ
猫島の良さってそこにあるのかもね
多くの方が猫島に足を運ぶのは、単に猫がたくさんいるからというだけでなく、島という空間の中にいる猫たちに触れられるという理由もありそうです。写真映えもしますしね。海外の方にもウケているのは、「日本の島×猫」という魅力的な要素が賭け合わさっているからかも。
エサをやってみる。
ネット上には「猫にエサをやらないように」という情報もあったのでびびっていたのですが、いざ上陸してみると、キャットフードに限ってエサをやってよいという張り紙がありました。
しかし、島内にキャットフードを購入できるお店はありません。エサやりをしたいのであれば事前に購入しておかなければなりませんが、あまりその情報は周知されていないように感じます。
「キャットフードに限りエサやりOK」
「島内ではキャットフードを調達できない」
相島に行かれる方、特に猫にエサをやりたいという方はこれらを頭にいれておくとよいでしょう。
私たちは念のため(?)ちゅーるを持参していたので、島内では事なきを得ました。慣れない手つきながら、求められるままにエサやりをします。ほどよくエサをもらっている(メイン記事参照)こともあって、ちょうどいい食いつき度合いです。
にゃん。
猫島ならではの時間感覚
やはりここまでたくさんの人が島に来ているとさすがに人慣れしてくるのか、目にする猫たちはみんな人懐っこい印象でした(警戒心が強い猫はそもそも表に出てこないらしい)。
「エサをくれ!」という子もいるのですが、寝転がってのんびり時間を過ごす子も。猫島ならではの時間の流れ方は、心に癒やしをもたらしてくれますね。これもまた、猫がいる島の魅力でしょう。
ちなみに、相島の猫たちは全頭去勢・避妊手術済みなので、みな一代限りの命ということになります。猫たちには寿命まで健やかに過ごしてほしいと思うとともに、猫がいなくなったあとの相島はどうなるのか、とても気になる部分もあります。個人的にも、メディアとしても、今後も注視していきたいです。
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企画・取材・執筆:ハテシマサツキ